こんにちは!
FAITH(フェイス)小川由佳です。
今回は、以前も取り上げたことのある「同調」について、
改めて取り上げてみたいと思います。
皆さんは、社会心理学者であるS.E.アッシュが行った
「同調実験」って、ご存知ですか?
最初に見せた線と同じ長さの線を、A、B、Cという3本の選択肢の中から選ぶ
という簡単な課題を被験者に与えます。
このとき、メンバー全員(いわゆるサクラ)がわざと間違った答えを選ぶと、
90%を超えていた被験者の正答率が60%程度に落ちてしまうのだそうです。
「Bだと思ったけど、みんながAっていうからAが正解なんだろうなあ」
そんな心理が働くのですね。
この60%という実験結果は、アメリカで行われたものですが、
一般的に同調圧力が強いと言われる日本で、同じ実験を行えば、
もっと正答率は落ちるかもしれませんね。
このように、多数派の意見に引っ張られて、自分の意見に自信をなくして
自分の意見を変えてしまうことを「同調」と呼びます。
これに近い心理は、職場でも起きそうな気がします。
例えば、誰かが新しいアイデアにチャレンジしようとしたとき
「そんな前例ないよね。やって大丈夫?」
「もし失敗したらどうするの?」
「普通、そんなこと、考えないでしょ」
なんて声が周りから聞こえてきて、
気持ちがくじけそうになったり。
なんとなく迷っているうちに、
時だけがどんどん過ぎていったり。
その結果として、
せっかく「やってみよう」と思っていたことを断念したり。
ちなみに、さっきの実験には続きがあります。
面白いことに、1人でも被験者と同じ答えをする”味方”がいれば、
同調が極端に減り、正答率は90%程度に持ち直すのだそうです。
私は、この”味方”という重要な役目を担えるのが、
管理職なのではないかと思います。
「確かに、誰もやったことがないけれど、
いいね、それ。やってみる?」
部下の新たなチャレンジに対して
そんなふうに言えたら、
とても素敵だし、一緒にチャレンジを楽しめそうです。
VUCAと言われる、変化が激しく予測困難な時代。
とても大切なことなのではないかと思います。