こんにちは。FAITH(フェイス) 小川由佳です。
管理職に限らず、新しい役割に挑もうとするとき、すでにできている人や先輩の姿を見て、「私には難しいんじゃ・・・」「とてもじゃないけど、あんなふうにできない」って思ってしまうことがあります。
そんなとき、「ありたい姿を小分けにする」ことで、一歩を踏み出しやすくなります。
あるクライアントさんの悩みは、
これまで何度も打ち合わせをして合意してきた後になって、お客様から「・・・したい!」と変更依頼があったとき、どうしても、感情的に反応しそうになってしまう
というものでした。
「すでに何度か打ち合わせをして決めたことなのに」
「今頃、それをくつがえしてくるって・・・」
「それはないんじゃない・・・」
そんなセリフが心の中をよぎり、どうしても感情的になってしまいそうになる。
「すでに、この間の打ち合わせで、〇〇だと決めましたよね」って言いたくなってしまう。
で、結局、お客様にうまく説明できない。
一方、クライアントさんの上長である〇〇さんは、こんなときでも、冷静さを失いません。
お客様に対して、客観的に状況を説明をした後、最後に「で、どうしましょうか?」とお客様に意見を聞きます。
すると、お客様も「そうだね。だとしたら、今のままでいこうか」と、納得した様子で変更依頼を取り下げます。
「どうしたら、私も、そんなスマートな対応ができるようになるだろう・・・」
ということで、クライアントさんと一緒に、〇〇さんがどんなことをしていたのか、具体的に分析することにしました。
「そのとき、〇〇さんはどんなことをしていたんですか?
〇〇さんのしたことを具体的に挙げてみましょうか?」
「そうですね。まず、現在の状況や起こっていることについて、客観的な事実に基づいて話していましたね。
事実に基づく説明だから、誰も否定できないですよね。」
「ええと、それから、今回のお客様の変更依頼を取り入れることによる、メリットとデメリットを示してみせていました。
ホワイトボードを使って見える化して。」
「あ、そのときのメリット・デメリットは、今回の取り組みの目的に照らし合わせたときのメリットとデメリットです。
なので、〇〇さんは、まず最初に『今回の目的は□□ですよね』ということを示して、それに対するメリットとデメリットを挙げていました。」
「そして、最後は、お客様に『どうしますか?』と選択肢を示して、お客様に選んでいただいていたんです。」
ここまで話してきたとき、クライアントさんがふとつぶやきました。
「1つ1つのことは、意外とシンプルですね。
だったら、もしかしたら私にもできるかも。」
一見難しそうに見える。「私には絶対に無理」って思ってしまう。
そんなときは、その対象を小分けに(分解)してみましょう。
そうすると、一歩近づくための糸口が見えてくると思います。
(※クライアントさんの話は、ご本人の許可をいただいたうえで掲載しております。)