こんにちは!
FAITH(フェイス) 小川由佳です。
5月17日の記事で、
『女性の視点で見直す人材育成』
(中原淳・トーマツイノベーション著)を読んでいて
面白いなと思ったデータをいくつかご紹介しました。
今回はその続きで、
「リーダーとなった後」に関するデータに触れつつ
プレイヤーから管理職(リーダー)に円滑に移行するためのヒントを
書きたいと思います。
まず大前提としてお伝えしたいこと。
それは、
プレイヤーと管理職(リーダー)との間には
大きな段差がある
ということです。
(私が管理職候補者向けの研修をするときに
必ずお話しすることでもあります。)
言い換えると、
坂道を登っていくように
プレイヤーとしての延長線上に管理職がある
というわけではないのです。
そうではなく、
「大きな”段差”がある階段を上る」
必要があります。
というのも、
プレイヤーというのは、
「いかに自分が成果を出すか」
が大事ですが、
管理職(リーダー)になると
「いかにチームが成果を出すか」
が大事になるからです。
求められている役割が異なりますし、
そのために求められる
マインドセットやスキルも異なります。
特に、
マインドセットの違いが腑に落ちるかどうか
がカギになりますし、
これが段差を生む大きな要因です。
そこを知らずして、ただがんばろうとすると、
「え、何?どうして?」「なぜうまくいかないんだろう・・・」
と壁にぶち当たることになってしまいます。
ちなみに、
アメリカの組織心理学者、E.C.ヒューズ氏が提唱した、
リアリティ・ショックという言葉をご存知でしょうか。
これは
「理想と現実のギャップに衝撃を受けること」
を指す言葉です。
管理職やリーダーになってすぐの頃、
「え、こんな仕事内容なの?」とショックを受けることも、
リアリティ・ショックですね。
おもしろいことに、この、リーダー就任直後に
リアリティ・ショックを受けるのは
女性よりも男性のほうが多いようです。
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【データ1】「駆け出し」のときに壁にぶつかるのは、むしろ男性リーダー!?
リーダー就任直後に「実際の仕事内容にショックを受けた」と答えている人の割合を男女比較。
どちらかと言えば女性(9.7%)よりも男性(13.8%)のほうが「はじめてのリーダー体験」にショックを受けていることが見て取れる
出所:『女性の視点で見直す人材育成』(中原淳・トーマツイノベーション著)
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男女でやや差があるのは、なぜなんでしょうね。
おもしろいですね。
とはいえ、
上述のように、
プレイヤーと管理職(リーダー)との間に
段差があることは間違いなく、
男女ともに多かれ少なかれ
リアリティ・ショックはあると思いますので、
管理職(リーダー)になる前に、
「管理職(リーダー)とはこういう役割の人ですよ、
こういうマインドセットが必要ですよ、
管理職(リーダー)になるとこういうことが起こりえますよ」
といったことを、予め知っておくことは大事だと言えます。
そして、管理職(リーダー)になった後、
実際に仕事を経験する中で、
更に上司からの示唆や研修等の機会を通じて
学びや気づきを深め、
成長していけるといいですね。
ちなみに、
もう1つおもしろいデータがあるので、
最後にこちらをご紹介させていただきますね。
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【データ2】7割以上の女性は「リーダーになってよかった」と感じている
「リーダーになってよかった」と感じている人の割合を男女で比較した結果。
女性(73.6%)のほうが男性(67.4%)以上にリーダーの仕事にやりがいを感じている。
スタッフ期の女性には「昇進を嫌がる」「自信がない(インポスター症候群)」などの特徴が見られたが、実際にリーダーになってみると、多くの女性がリーダーの仕事にやりがいを見出し、大きく変貌を遂げる可能性が示唆されている。
出所:『女性の視点で見直す人材育成』(中原淳・トーマツイノベーション著)
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私が女性の管理職候補者に向けて研修をするときに、
メッセージとして伝えたいことの一番に
次に挙げるメッセージがあります:
「今の自分の判断基準となっているのは、
あくまで、過去に自分が経験したことや
見聞きしたことの総動員でしかない。
自分が経験したことがないことについて、
今の自分が判断をするのはとうてい難しいし
思い込みで『できない』と判断してしまうのは
すごくもったいない」
上記のデータ2は、
このメッセージを後押ししてくれるようで、
私自身気に入っています^^