こんにちは! FAITH(フェイス)小川由佳です。
前回の記事で触れた『督促OLの修行日記』がおもしろかったので、
その続編、『督促OLの奮闘日記』を読みました。
督促コールセンターという職場での悲喜こもごもについて語られていた前作に対して、
お金のノウハウについて主に語られている本作。
ただ、ノウハウについて語られている中でも、
やはりおもしろく感じるのは、ノウハウ以上に職場での数々のエピソードです。
私が、普段から組織や人について仕事をしているということもあるかもしれませんが。
この著作の中で語られている話は基本的に実話で、著者榎本さんの経験談が多く語られているのですが、
その中によく、K藤さんという、榎本さんの教育をしてくれた先輩が出てきます。
K藤さんは、もともとパートのオペレーターとしてコールセンターに入社し、
その後、契約社員を経て正社員になったというマネージャーさん。
そのK藤さんと榎本さんの会話がおもしろいのですが、
その中で私が「そうだよね~」とぐっときたのが、次に挙げるK藤さんの言葉でした。
= = = = = = = = = =
K藤
「会社に不満があるときは、文句を言いたくなるわよね?
でも、会社はそれじゃ動いてくれないのよ。
私がこの仕事を続けている理由は、「発言力」を持つためかな。」
「会社にこんな仕事をさせてほしい、業務をこうしてほしいって言うためには、
ちゃんと成果をもっていかないとね。
私も新入社員の頃は、N本と同じように会社に不満ばかり言ってたわよ、
でも会社はなんにもしてくれなかった。」
「新入社員は上司に不満を言えば改善してくれるって思ってるけど、
文句だけ言ったって動いてくれないわよ。
私だって会社に提案が通ったのは回収金額がチームで一番になったときだった。
まぁそのときは気持ちよかったわね。
組織を変えたいと思ったら、それは仕事の実績との等価交換なの。
要求を聞いてほしけりゃ手ぶらで来るな、成果を持ってこいってこと。」
(『督促OL 奮闘日記 ちょっとためになるお金の話』より抜粋)
= = = = = = = = = =
これ、ほんと、真実ですね。
何かリクエストを相手に飲んでほしければ、それ相応の価値を相手に提供する必要がある、
もしくは、それができる人間であることを相手に見せる必要があるということです。
当たり前と言えば当たり前のことなのですが、これって、けっこう忘れがち。
で、ついつい自分目線で行動しちゃう。
(自戒を込めて。。。)
私自身、K藤さんと同じで、特に若かりし頃は、会社に不満を言ったり、
場合によっては「・・・したいです」って上司に直訴したり。
それでもやってもらえなくて、「どうして〇〇してくれないんだろう」って、鬱々としたり。
でも、「一方的にリクエストしているだけでは、やってもらえない」
というのは、あたりまえですよね。今から思えば。
だって、会社は、従業員の要望を聞くために存在しているわけではないわけで。
本来、会社はビジネスを通じて世の中に価値をもたらし、
結果としてその対価を得るために存在するわけで。
だから、その目的のために、「私の言っていることは、会社にとって聞くに値する」
って思ってもらえなければ、当然聞いてもらえないわけです。
だから、やはり何かリクエストを相手に飲んでほしければ、それ相応の価値を相手に提供する必要がある、
もしくは、それができる人間であることを相手に見せる必要があるということですね。
会社や組織を動かす、上を動かすってそういうこと。
だからこそ、会社や組織、上を動かそうと思ったら、ビジネス、もっというと経営という視点で
物事を見られるようにならないといけないということです。
私が思い出すのは、かつて勤務していた会社での、あるプロジェクトのこと。
当時、私は、いくつかの理由から、そのプロジェクトのリーダーをやりたくて、
でも、そういった規模のプロジェクトでのリーダーの経験がまだ私にはなくて、
それでもやっぱりやりたかった私は、上司に「そのプロジェクトのリーダーがやりたい」と直訴しました。
が、上司の答えはNO。
当時は、なぜNOなのか理由を上司からはっきり聞くことができず、
「私だとだめなのかな・・・」と落ち込みました。
ですが、その上司の右腕のようなポジションにあり、私も日頃からお世話になっていた先輩が、
「自分がサポートするから小川をリーダーに」と上司に口添えしてくれ、
最終的に、私はそのプロジェクトのリーダーをさせていただくことになりました。
そのときの私は、ただ「自分が、そのプロジェクトのリーダーをやりたい」
という自分目線でしか動けなかったので、どう考えてもリーダーとして未熟だったのですが、
あとから、上司が私にリーダーをさせなかった理由について、その右腕の先輩に聞いたところ、
「小川さんは、確かにそのような規模のリーダー経験がない。
ただ、それだけが今回NOと言った理由じゃない。
そもそも、そのプロジェクトで扱う保守部品用システムのノウハウを持っているのは小川さんだけだ。
そのことを考えると、もし万一小川さんががリーダーとしてお客様からダメ出しされて、
そのプロジェクトを抜けなければならないことにでもなったら、
そのプロジェクトでノウハウを持っている人がいなくなって、プロジェクトが立ち行かなくなってしまう。
だから、私はNOって言ったんだよ」
ということだったのだそうです。
ディレクターである上司は、私と違って、
もっと上の視点、ビジネス的観点で物事を捉えていたんですね。
一方、当時の私は、そんな視点がまるで持てていず、
あくまで「自分がしたいか否か」でしか動けていなかったということです(><)
会社や組織で何か物事を通したいと思ったら、
経営的観点&ビジネス的観点で物事を捉えて、提案なりをもっていくことが必要。
さっきの私の例でいえば、万一私がこけるようなことがあった場合、
どのようにすれば会社としてプロジェクトを滞りなく終えることができるのか、
そこまで考えた提案をもってして上司に掛け合っていれば、上司の答えも違ったのかもしれません。