こんにちは。小川由佳です。
みなさんは、ポカよけってご存知でしょうか?
製造業(製造現場)で使われる言葉で、
「人間がミスをするのを予防するような
仕組みを作り込むこと。あるいは、その仕組みそのもの」
のことを言います。
身近な例を挙げれば、
・(駅などの)トイレの非常ベルが
フタを開けないと押せないようになっているとか
(体が当たってベルが押されてしまうのを防ぐため)
・洗濯機が、フタを閉めていないと
作動しないようになっているとか
(物を落とすなどの事故を防ぐため)
・ホテルで鍵を所定の場所に置かないと
電気がつかないようになっているとか
(鍵の紛失や電気の消し忘れを防ぐため)
・ホテルの上の階では、窓ガラスが
少ししか開かないようになっているとか
(転落などの事故を防ぐため)
などなど。
考えてみると、身近な所に、
ポカよけ、けっこうあります。
(考えてみると、おもしろいです^^)
でね、このポカよけの根本にある考え方、
「人間はミスや誤りをしてしまうものだ」
これって、すごく本質を突いていて
いいなあと思うのです。
人間の注意力や意思の力って限界があります。
どれだけ注意していても、がんばっていても、
疲れていたり、気持ちが落ち込んでいたりすると、
どうしてもミスしてしまうことはあります。
そんなとき、
「ダメじゃないか」「もっとがんばろうよ」と
叱咤激励したところで、意味がない。
それで、状況が改善するかっていうと、
まずしないでしょう。
そうではなく、
「人間はミスや誤りをしてしまうものだ」
そう認めてしまって、そこから、
「じゃあ、ミスや誤りを防ぐために、
仕組みとして何ができるだろう」
と発想を転換することで、
ミスや誤りを防げるようになるだけでなく、
職場での無用なストレスや軋轢を防ぐことができます。
そして、これ、部下との関係においても、
十分に活用できる考え方だと思うのです。
昔、業務改革のコンサルタントをしていたとき、
よく使う言葉がありました。
「プロセス憎んで、人を憎まず」
部下がしょっちゅうミスをする、ポカをするというとき。
もしかしたら、
「何度言ったらわかるの!」と叱るよりは、
部下の仕事のプロセス、やり方を、
一緒に吟味していった方がいいかもしれません。