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【ある女性リーダーのお悩み】「あなたのために言っているんですよ」の違和感

【ある女性リーダーのお悩み】

部下への指導をする時、どの観点からするのが最適だろうと悩むんです。

業績あげるのは会社のため?支店のため?私のため?部下のため?

全てに該当するんですよね。

私、「貴方のために言ってるんですよ」って言うのに違和感があって。

恩着せがましい感じがするんです。

「貴方のため」って。大きなお世話ですよね。

でも、「支店の業績のため」って言うのも、正しいけど、なんか血が通ってない気がして。

どう思いますか?

困っている管理職女性
【小川より回答】

お悩み相談、ありがとうございます。

そうですよね、「あなたのために言っているんですよ」って、なんか押しつけがましい感じがしますよね。

私も、娘に「〇〇ちゃんのためを思って、・・・」と言いそうになるときがありますが、そのとき、同時に、「これ、娘に言ったら、なんて思うだろうな」とか、「結局、私が言うことを聞いてほしいから言ってる部分もあるなあ」とか思ったりもします(笑)。

とはいえ、仕事をお願いするということは、結局のところ、「全てのため(つまり、「会社のため」「支店のため」「私のため」「部下のため」)になるところを目指す」ってことじゃないかなと思います。

どういうことか、もう少し具体的に説明しますね。

 

まず、会社というのは、そもそも、その会社が掲げる目的(理念、社会的意義)や目指すビジョンというものを達成したいがために、成り立つ存在です。

そして、目的やビジョンが大きければ大きいほど、これらを達成することは一人ではできないから、まず会社として大きなチームを作り、更に小さいチーム(例えば、支店とか、部とか、課とか)に分けて役割分担しているわけですね。

このことを考えると、支店のためにやることが会社全体のためになる・・・というのが、本来のあるべき会社組織の姿だと思います。

じゃあ、会社や支店のためにやることと、そこで働く個人とはどうつながるのか?

ドライに言ってしまうと、会社や支店と個人との関係は、「会社や支店から雇われて仕事をして、その対価として給与をもらっている」・・・という関係です。これだけを考えると、「会社や支店の業績のために、・・・してね」というのが「論理的に正しい」仕事の振り方ということになります。

が、じゃあ、そういわれて、その個人は、やる気になるのか? いい仕事ができるか?

っていうと、たぶんそうではない。

人間は、人それぞれ固有の価値観(その人が大事にしていること)があり、その価値観をもってして考えたときに「それをやることは、自分にとって意味がある」とみなしたときに、「やろう!」「やりたい!」という気持ちになるんだと思うんです。

そう考えると、「会社や支店の業績のため」、もっというと、「会社や支店の目的(理念、社会的意義)やビジョンのため」の仕事が、「部下である〇〇さんにとってはどんな意味・意義があるのか」を、上司としては、翻訳して〇〇さんに伝えられたほうがいい、もしくは、〇〇さんが与えられた仕事に意味や意義を見出すお手伝いができたほうがベターということになります。

上司が部下のこと(部下の価値観や部下が目指していること、キャリア等)を考え、それを踏まえて仕事を振ることができたほうが、結局のところ、お互いにハッピーだと思うのですね。

 

ここまで書いてきて、私も昔のことを思い出しました。

私も、以前、上司からAっていう仕事を振られたとき、

「それって私がやりたい仕事じゃないのになあ。

私がやりたいのはBなのに、そして、それを上司も知っているはずなのに、なんで、またAを頼むんだろう・・・」

って思ったことがあります。

で、それをそのまま、別の人(友人)に愚痴ったんですよね。当時の私は。

そしたら、その友人がこう言ったんです。

「確かに、ゆかちゃんのしたいのは違うかもしれない。でもさ、Aをやるときに□□っていう視点を身に着けられたら、いざBをやるときに、すごく役に立つんじゃない。それって、Bをするときに、すごく有難がられると思うけどな。」

それを言われた時、私は、「彼女の言っていることって本当にそうだな」って思いました。

で、そう思った瞬間、「Aをがんばってやろう」っていう前向きな気持ちになったのです。

もし管理職をやる人たちが、自分の部下に対して、上述の私の友人のような役割ができたら、素敵だなって思います^^

 

(※クライアントさんの話は、ご本人の許可をいただいたうえで掲載しております。)

 

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