こんにちは! FAITH(フェイス)小川由佳です。
最近、小学3年生の娘が塾に行き始めたのに伴い、
「彼女の勉強へのモチベーションをいかに上げるか&維持するか」
という命題に取り組んでいます(笑)
というのも、塾の宿題が多いからなのですが、
「子供のモチベーション」ってかなり手ごわい(笑)
(宿題を〆切までにこなせるようサポートするのに一苦労)
基本的にすぐに飽きるし(これは親似かも?!)
・「そもそもなぜ勉強するのか」という目的を腹落ちさせにくい
・子供なので、なかなか将来のビジョンというのが描けないし、
その分、ビジョンと今の勉強を結び付けてやる気を出させる・・・
というわけにはいかない(一部のお子さんは違うと思いますが・・・。)
とりあえず、私個人的な感想としては、
組織内で役割があり、かつ、理性の働く大人(部下)以上に
子どものモチベーションを上げるのは
難しい・・・と感じています。
私がいろいろとやってみて効果があるように感じるのは、
・クイズやゲーム形式で出題して、遊び感覚を演出する
・たとえば、「10分で」というように、制限時間を決めて、やる。
場合によっては、私と競争する
・私も一緒に勉強(というか仕事)をする
という感じでしょうか。
ただ、そのくらいしか思いつかなかったので、
子供の勉強サポートに関する本を読んでみたところ、
おもしろい本に出会いました。
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「やる気」を科学的に分析してわかった
小学生の子が勉強にハマる方法
伸学会 菊池洋匡、秦一生 著
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この本、塾講師(塾の代表)の方が書かれているのですが、
モチベーションアップの仕掛けについて
いろいろ書かれていておもしろい!
そして、(これがこの本の特徴だと思うのですが)
この本で紹介されているアイデアや提案には、
全て心理学等の裏付けがあり、
具体的にどんな理論や原理原則に当てはまるか
全て出典が書かれています。
そのため、普段、講師やコーチとして「リーダーシップ」というテーマを
扱っている私にとっても、仕事をするうえで勉強になります。
この塾が、理系の父親の間で好評だというのもよくわかります。
(逆にいうと、理系の人を”落とす”には、
やはり事実やデータ、理論による裏付けが効くということも
よくわかります^^)
この本の内容で、大人、特に部下のいらっしゃる皆さんに
役立ちそうな箇所を、いくつか抜粋してみますね:
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【はじめに】より
ARCSモデルは学習意欲(やる気)を、注意(Attention)・理由(Reason)・自信(Confidence)・満足感(Satisfaction)の4つに分類したものです。
これは、アメリカの教育工学者J・M・ケラーが、心理学における動機づけ(やる気)研究をまとめ上げた、一種の集大成とも言えるモデルです。
要するに、「やる気の源には大きく分けると4つのパターンがありますよ」 - ということです。
このモデルはグーグル社でも取り入れられており、大人のやる気を引き出すのはもちろん、子供のやる気を引き出すのにも有効です。
いえ、むしろ子どものほうがより重要かもしれません。大人であれば、やるべき理由(R)さえあれば行動できる人も多いですが、子供はそうはいかないからです。
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【算数を「パズル」と呼ぶ】より
~ 大人も簡単にだまされる名前の変更 ~
勉強の呼び方を変えるだけなんて意味があるの? そのように疑問に思うのももっともです。
勉強の内容が面白いか面白くないかは、やってみなければわかりませんが、残念ながら多くの子は、それ以前に見た目や名前から「面白くなさそう」と判断して手に取っていないのです。
だから、まずは手に取らせるための工夫から始めなければいけません。
そのためには、「名前」から変えるのが効果的なのです。
実際に世の中には、名前を買えただけで多くの人が手に取ってくれるようになった事例があふれています。
(中略)
ほかにも、ネピアの高級ティッシュ『鼻セレブ』も、当初の『モイスチャーティッシュ』から名前をリニューアルしたことで10倍以上も売上が伸びました。
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【宿題をゲーム化する4つの要素】より
つまらないから勉強したくない。その気持ちはもっともです。ならば、楽しくしてあげましょう。
勉強だって、ちょっとした設定をしてあげるだけでゲームに早変わりします。
ゲームに必要な要素は何でしょうか? 私は次の4つだと考えています。
1.新鮮な刺激がある
2.クリアすべきミッションがある
3.簡単すぎず難しすぎず、ちょうどよい難易度である
4.素早い反応がある
じつは、順に「ARCSモデル」になっています。ゲームはちゃんとやる気を引き出す仕組みが整っているから、子どもはハマるのです。
逆に言えば、この要素を揃えれば勉強をゲーム化して子供をハマらせることも可能なのです。
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【自己選択がやる気を引き出す】より
人間費は、根源的な欲求の1つとして「自律性」があります。人は自らの行動を選び、主体的に行動することを求めるというものです。
自律性は私たちが考えている以上に、やる気や楽しさ、幸福感と結びついています。
この自律性を奪われた形で誰かに矯正されるのは、勉強だろうと仕事だろうと面白いわけがありません。
~ 自分で選んだ”感覚”がやる気につながる ~
そこで有効なのが、選択したような”感覚”を与えることです。参考になるのが、イェール大学の心理学者ダイアナ・コルドヴァとスタンフォード大学の心理学者マーク・レッパーの行った子供の選択の感覚に関する実験です。
コルドヴァらは、小学校4、5年生72人に、SFをテーマにしたパソコン用の算数学習ゲームを与えました。
実験者は、一部の生徒にだけ自分を表すアイコンを4つの中から選ばせ、宇宙船に好きな名前をつけられるようにしました。
他の子どもも同じゲームを行いますがアイコンや宇宙船の名前はコンピューターが自動的に決定しました。
その結果、宇宙船の名前やアイコンを選択できた生徒のほうがゲームを楽しみ、休み時間にもプレーを続ける傾向を示しました。それだけでなく、その後の算数のテストでも好成績を修めたそうです。
選択対象が学習内容とは無関係でも、選択の”感覚”を与えるだけで自律性の欲求が満たされ、意欲が高まり、大きな成果に結びつくことがあるのです。
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以上、『「やる気」を科学的に分析してわかった 小学生の子が勉強にハマる方法』より
ちなみに、抜粋した内容の2番目、「名前の変更」は私も普段から使っています。
例えば、研修やセミナーの名前を考える際、
「これって気になる!」「知りたい!」と思ってもらえるような
名前を考えて付けるようにしていますが、これもまさに「名前の変更」ですね^^
大人にも活用できそうなアイデアや、その裏付けとなっている
理論や実験結果について学ぶことができ、
部下のマネジメントや育成の参考にもなりそうです。
(& とにかく、おもしろい^^)
部下や巻き込むべき人がいる人は、
よかったら、読んでみてください^^